『ぐりとぐらの』――子どもの夢のようにふくらんだカステラ

絵本

一昨日10月6日、山脇百合子さんご逝去のニュースを見ました。追悼と感謝の意を込めて、今回の感想を書きました。

こんな絵本です

作:中川李枝子、絵:大村百合子、出版社:福音館書店

 「ぐりとぐらのシリーズ」の第一作目です。ふたごの野ねずみのぐりとぐら。ふたりがこの世で一番好きなのは、お料理すること、食べること。ある日、ぐりとぐらは森で大きなたまごを見つけます。さて、このたまごで何を作ろうか?

お話の感想

 なんと言っても、ぐりとぐらのふたりがとっても可愛いです🥰 色違いの帽子にお洋服、これを見ただけで仲良しなのが伝わってきますね。私はびょーんとまっすぐ伸びたしっぽが特にラブリーだなと思ってます😙

 小さい頃から疑問なんですが、二人が見つけたたまごは何のたまごなんでしょうね? 正解はないのかも知れませんが、想像してみるのも楽しいです。「何のたまごだと思う?」と子どもに聞いたら、面白い答えが返ってきそうです😆

 たまごが大きくて持って帰れないから、外でお料理しちゃおうというふたりが好きです。発想の転換、大事ですよねー。大人になると、固定概念で脳が凝り固まっちゃうから……😅 外で作るご飯はキャンプみたいでわくわく感が倍増です。

 大きなボールとお鍋がいいんですよね、何か特別なものが出来そうだぞ! という期待が膨らみます。ところで、いつもこのお鍋を使ってるんでしょうか。ふたりが普段使いするには大きすぎるんじゃ……😂

 このカステラが出来上がったシーン! ふんわりしててきれいな黄色ですっごく美味しそうです😋
実はこの本を読んだ子どもの頃、私はカステラを食べたことがなくてですね。(いまでは普通に食べられますが、当時はちょっとおしゃれな食べ物、というイメージです)なので、カステラの味を知らなかったんですが、これはもう絶対に美味しいものに違いない! と口の中で想像の味を広げたのを覚えています✨


 カステラを森の動物達と食べるシーンも面白いですよね〜。象にフラミンゴ、ワニにカニ。一体ここは何処なんだ、と。住んでる所ぜんぜん違うじゃん😂、と最初はおかしかったのですが、何度か読んで思い直しました。なるほど、ここは架空の森、どんな動物たちも仲良く集う場所なんだなと。

誰であれ、同じ場所で一つのものを分け合って食べられる。それはとても幸せなことです。ここはユートピアなのかもしれません

子どもの反応

カステラ大好きな長女は、「おいしそーーーう!」と目を輝かせていました😊 ページからカステラを手にとるふりをして、「はい、どうぞ」とふたりで分け合いながら食べるのは、とても楽しかったです。

 色々な動物がでてくるのも、娘にはポイントが高かったよう。ぐりとぐらのおかげで、長女はもぐらを覚えました😂

 乗り物も好きなので、最後にぐりとぐらが作った車には興奮していました。たまごの殻まで無駄にしないふたりは逞しいですね。SDGsってやつでしょうか?(ちょっと違う😇)

子どもの夢のようにふくらんだカステラ

 私は子どもの頃、大好きなおやつを思う存分食べてみたいなぁと思っていました🎂
バケツいっぱいのプリン、まんまる丸ごとのイチゴケーキ、天井まで積み重なったパンケーキ……。そんなものを空想していた気がします。今も食いしん坊な私らしいです。

 でも、きっとそんな風に思うちびっこたちは多いんじゃないでしょうか。子どもたちの憧れがつまっている夢のようなカステラ、それがぐりとぐらのカステラなんじゃないかなぁと思います。

美味しいものをお腹いっぱい、みんなで食べる楽しみを思い出させてくれる、そんな絵本です。

山脇百合子さん、ぐりとぐらを始め、たくさんのすてきな作品をありがとうございました。天国でも楽しくイラストを描いてくださいますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました